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住宅ローンの固定期間選択型とは?10年固定の終了後・メリット・注意点

住宅ローンの10年固定終了後に三つの進路へ分かれる様子

住宅ローンの「10年固定」は、10年間ずっと安心できる分かりやすい商品に見えます。

変動金利より返済額を安定させやすく、全期間固定より当初金利を抑えやすい。子どもの教育費が増えるまで、共働きが安定するまでなど、一定期間の家計を守りたい家庭には魅力があります。

ただし、固定されるのは10年間だけです。11年目以降の金利と返済額は、契約時には確定していません。終了後に何もしなければ変動金利へ移る商品もあり、再び固定を選ぶ場合も、その時点の金利と優遇条件が使われます。

固定期間選択型で本当に確認したいのは、最初の10年間より固定期間が終わった後に何が起きるかです。この記事では、仕組み、利用割合、10年固定終了後の選択肢、返済額の試算、向いている家庭まで整理します。

目次

固定期間選択型は、一定期間だけ金利を固定する住宅ローン

固定期間選択型は、借入当初の2年、3年、5年、10年、20年など、金融機関が用意した期間だけ適用金利を固定する住宅ローンです。「当初10年固定」「固定金利特約型」などの名称で案内されています。

固定期間中は適用金利と返済額が原則として変わらないため、一定期間の支出を見通しやすくなります。市場金利が上昇しても、その期間中の返済額には影響しません。

一方、全期間固定金利とは違い、完済まで固定されるわけではありません。三井住友銀行の固定金利特約型では、固定期間終了時には変動金利型へ切り替わり、その時点の金利で固定金利特約を再設定することもできると案内しています。

固定期間選択型の固定期間中と終了後の金利変化を示す図
金利タイプ金利が決まる期間返済額の見通し
変動金利定期的に見直し完済まで確定しない
固定期間選択型選択した期間だけ固定固定期間中は確定、終了後は未確定
全期間固定完済まで固定借入時に完済まで確定

固定期間選択型は変動と全期間固定の中間に見えますが、リスクが単純に半分になる商品ではありません。金利上昇の影響を「消す」のではなく、固定期間終了時まで「先送りする」性格があります。

利用割合は14.9%。希望する人は32.1%

住宅金融支援機構の2026年1月調査では、2025年4月から9月に住宅ローンを借りた1,237人のうち、変動型は75.0%、固定期間選択型は14.9%、全期間固定型は10.1%でした。

一方、今後5年以内に住宅ローンを利用する予定の1,500人が希望する金利タイプは、変動型37.0%、固定期間選択型32.1%、全期間固定型30.9%です。実際の利用者では変動型が多いものの、利用前の希望は3種類に分かれています。

金利上昇が意識されるなかで、全期間固定ほど当初返済額を上げず、一定期間だけ安心を買いたい需要があると考えられます。ただし、希望時点の比較と実際の適用金利・審査結果は別です。

10年固定が終了した後の選択肢は主に3つ

10年固定の終了が近づいたら、主に次の3つを比較します。商品によって手続期限や選択肢が違うため、満了直前ではなく半年前を目安に契約内容を確認したいです。

1. 変動金利へ移る

固定期間終了後に手続きをしなければ、自動的に変動金利へ切り替わる商品があります。新しい適用金利は、その時点の基準金利と契約上の優遇幅で決まります。

変動金利が再固定より低ければ当初の返済額を抑えやすい一方、その後も金利見直しがあります。変動へ移った後の5年ルール・125%ルールの扱いも金融機関に確認が必要です。

2. 固定期間を再設定する

終了時点で改めて5年固定、10年固定などを選ぶ方法です。再設定した期間は返済額を固定できますが、借入当初と同じ金利や優遇幅が使えるとは限りません。

金利種類変更手数料や固定金利特約手数料が必要な商品もあります。広告の新規借入金利ではなく、自分の契約に適用される再固定金利を確認します。

3. 繰上返済または他行へ借り換える

手元資金に余裕があれば、固定期間終了前後に一部繰上返済をして、金利上昇の影響を受ける残高を減らす方法があります。他行の住宅ローンへ借り換え、全期間固定や条件のよい変動金利へ移す選択肢もあります。

借り換えには事務手数料、登記費用、完済手数料などがかかります。金利差だけでなく、残高、残り期間、諸費用を含む総支払額で比較します。

10年固定終了後に変動と再固定と借り換えを比較する図

10年後の金利で返済額はいくら変わるか

返済額の変化をつかむため、4,000万円を35年、元利均等返済、当初10年間は年1.5%で借りる仮定を置きます。ボーナス返済と手数料は含めない比較用の試算です。

当初の毎月返済額は約12万2,500円で、10年後の残高は約3,062万円です。残り25年をその時点の金利で計算すると、次のようになります。

11年目以降の金利毎月返済額当初からの増減
年1.0%約11万5,400円約7,100円減
年1.5%約12万2,500円ほぼ同じ
年2.0%約13万0,000円約7,500円増
年3.0%約14万5,200円約2万2,700円増
年4.0%約16万1,600円約3万9,100円増

実際の金額は商品、残高、返済日、優遇幅によって変わりますが、固定終了時に金利が高ければ、毎月数万円増える可能性があります。三井住友銀行の商品資料でも、固定金利特約期間終了後は新しい金利・残存元金・残存期間で返済額を見直し、増減率に限度がないと案内されています。

固定期間終了時の返済額見直しに、変動金利の125%ルールがそのまま適用されるとは限りません。契約商品の説明書で上限の有無を確認してください。

固定期間選択型のメリット

  • 固定期間中は金利と返済額が変わらない
  • 全期間固定より当初金利を抑えられる場合がある
  • 教育費や育休など、一定期間の家計を安定させやすい
  • 終了時に変動・再固定・借り換えを再検討できる

特に、今後10年間の支出は重いが、その後は教育費が下がる、収入が増える、まとまった繰上返済ができる見込みがある家庭には使いやすいです。固定期間とライフイベントの時期が合っているかが重要です。

金利の先行きを一度で35年分決めなくてよい点もメリットです。ただし、10年後に判断する準備まで含めて選ぶ必要があります。

デメリットと契約前の注意点

  • 固定期間終了後の金利と返済額が確定しない
  • 当初の優遇幅と終了後の優遇幅が違う場合がある
  • 再固定や金利変更に手数料がかかる場合がある
  • 固定期間中は金利タイプを変更できない場合がある
  • 金利が下がっても固定期間中の返済額は下がらない

契約時は「当初10年の金利」だけでなく、基準金利から何%引かれるのか、固定終了後の優遇幅、再設定できる期間、手続期限、何もしない場合の金利タイプを確認します。

また、10年後の残高も大切です。金利が上がる前に繰上返済するつもりでも、教育費や車の買い替えと重なれば現金を使えないことがあります。「将来返せるはず」ではなく、繰上返済しなくても耐えられる計画にした方が安全です。

固定期間終了の1年前から確認したいスケジュール

固定期間の終了案内が届いてから考え始めると、借り換えの比較や必要書類の準備が間に合わないことがあります。私は満了の1年前に、現在残高、残り期間、終了後の優遇幅、金利変更手数料を確認したいです。

半年前になったら、現在の銀行で変動へ移る案、5年・10年で再固定する案、他行へ借り換える案の3つを、同じ残高と残り期間で試算します。団信を付け直す借り換えでは健康状態によって選択肢が変わるため、金利だけでなく保障条件も比較します。

3か月前には、繰上返済へ使える金額と、教育費・修繕費として残す現金を分けます。全額を返済へ回すのではなく、金利上昇後も家計を守れる生活防衛資金を残すことが重要です。

満了直前は、再固定の申込期限と新しい適用金利を確認します。金融機関によっては手続可能期間が短く、期限までに手続しなければ変動金利へ切り替わります。終了日、申込期限、初回の新返済額をカレンダーに記録しておくと見落としにくくなります。

向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
一定期間の返済額を確定したい完済まで返済額を確定したい
10年後に支出が減る見込みがある固定終了時の判断を負担に感じる
終了時に繰上返済できる現金余力がある借入額が大きく返済増加に耐えにくい
金利タイプを将来見直したい金利動向を継続して確認したくない

私は固定派ですが、固定期間選択型を中途半端な商品とは思いません。10年間守りたい家計上の理由があり、終了時の残高と返済増加へ備えられるなら、合理的な選択です。

反対に、変動金利が怖いという理由だけで10年固定を選ぶと、不安を10年後へ移しただけになる可能性があります。完済までの安心が目的なら全期間固定、上昇リスクを一部だけ残すなら変動と固定を組み合わせるミックスローンも比較したいです。

まとめ:10年固定は、11年目の計画まで作って選ぶ

固定期間選択型は、選んだ期間だけ金利と返済額を固定する住宅ローンです。一定期間の家計を安定させながら、全期間固定より当初金利を抑えられる可能性があります。

ただし、固定期間終了後は変動金利へ移る、再固定する、借り換えるなどの判断が必要です。新しい金利で返済額が見直され、増加幅に上限がない商品もあります。

10年固定を選ぶなら、当初金利だけでなく、10年後の残高、返済額が月2万〜4万円増えた場合、再固定の優遇幅と手数料まで確認する。そこまで見て初めて、固定期間選択型を家計に合う形で使えると思います。

金融機関からは、当初10年の返済予定表だけでなく、固定終了後の優遇条件を記載した商品説明書も受け取り、完済まで保管しておきたいです。

主な確認資料

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